現地時間2019/5/14にアントワーヌ・グリーズマンの今シーズン限りでのアトレティコ退団がクラブから発表され、本人もそれについてのコメントを発信した。結局グリーズマンはアトレティコ在籍5年でタイトルを3つ（2014 スーペルコパ、2017-18 ヨーロッパリーグ、2018 UEFAスーパーカップ）獲得してクラブを去ることになる。

グリーズマンの移籍については昨夏も散々報じられてきたが、当時は結局アトレティコ残留で決着していた。残留の決め手はいくつか考えられるが、適当に上げると以下が該当するのではなかろうか。

1. アトレティコがバルサ以上の条件を提示した
2. 2018-19シーズンのCL決勝の舞台がメトロポリターノだった
3. 自分を支えてくれる選手が居た

まず1についてだが、選手の評価の指標の一つは給与なので、普通に考えれば高いほうがいいに決まっているので割愛。

2については残留の決め手としては結構重要な要素だと思っている。CL決勝の舞台を戦うことは他のクラブでもできるが、ホームスタジアムでCL決勝を戦えるのは今シーズンに関してはアトレティコ限定で、バルサに移籍していたらどう逆立ちしても実現しなかった（まあ結局どっちも決勝に辿り着いてないけど）

そして3だが、その代表的な選手はやっぱりゴディンだったのは容易に想像できる。昨シーズンの最終節でフレンテをなだめていたのもゴディンだったし、グリジはゴディンに頭が上がらないのではないか？

という3つの決め手を踏まえて今夏退団を決意した流れを考えると、1についてはおそらくだがアトレティコで受け取る給与のほうが少なくともバルサよりは良いと考えられるので、給与に関しては決め手にならない。

2つ目に関しては来シーズンの決勝の舞台はイスタンブールのアタテュルク・オリンピヤト・スタドゥなので、グリジの移籍先候補でホームスタジアムがそこのクラブは無い（はず）。逆に言えばアトレティコが持っていたアドバンテージは失われている。

とはいえ重要なのは3、というかゴディンの退団なんだろう。グリジにとってゴディンは本当に重要な存在なのは退団発表会見、セレモニーの様子を見れば明らかだし、そんな存在が居なくなるのであれば自分も、と思ってもおかしくはない（俺はあれを見て居なくなりそうだなと予感したくらいだし）

いずれにしても今夏出ていくくらいならなんで昨夏出ていかなかったんだ、ということについては説明はつく。その結果クラブ内の給与体系が歪になってしまい、色々な問題が現れてしまったわけだが、これ自体はグリジの責任ではなくクラブの責任なので、俺はグリジを責める気にはならない。もしこの額じゃないと絶対に残らない、と告げていたのであれば別だが、だとしてもその条件をクラブの財政を無視して呑んでしまったのであれば、それはそれでクラブ側の問題だしね。

グリーズマンの退団で一番痛いのはやはり広告塔を失うことだろう。先日行ってきたメトロポリターノでもなんだかんだでグリジは人気があったし、公式ショップもグリジを売りにしていた（バルサのメッシほどではなかったけどw）。いずれにしてもそんな選手が居なくなるのであれば、チームの顔が変わることになるので、ビジネス的には路線変更を強いられることは間違いないし、発信力のある選手を改めて作り上げる必要が出てくると思う。

では戦力的にはどうなのか。グリーズマンは確かにゴールもアシストもチームトップなので、攻撃面で抜けると痛いように感じるのだが、それはグリジを中心に攻撃しているからそうなるわけで、居なければ居ないで別の誰かが浮上してくる可能性はある（誰かは断定できんけど）。それにこれはグリジの2年目くらいからずっと思っていたことなのだが、グリジは攻撃時に動きすぎて結構他の選手の邪魔をしていることが多い。見に行ったこの間の試合もこいつ相変わらず中盤まで降りてきてボール触ってるなあ、と感じたので、年月が経っても特に変わっていないということだろう。

そもそもリーガを制した2013-14シーズンにはグリジは居なかったが、その分もうちょっとシンプルにやっていたと思う。得点はセットプレーで決めることができていたいので、近年との差はその辺りもあるだろうけど、それとは別に攻撃を停滞させる要因はあまり見受けられなかった印象はある（多少美化されているのは否めない）。

何にせよグリジが抜けることが良い方向に働く可能性もあるということだけは言っておきたい。ただ良い方向に持っていけるかどうかはチョロ次第なので、来シーズンは本当に腕の見せ所だと思う（と書きつつそんなに期待してないw）

グリジはバルサに移籍するのか、逆転で全然違うところに移籍するのかは分からんけど、移籍先でも頑張ってくれ。でも特別応援する気はあまりないけどなw